10年ぶりに改定「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

2023年11月に、10年ぶりに「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)」が改訂されました。最新の科学的知見に基づき、健康のためにはどのくらい運動したらよいかが示されています。

目次

全体の方向性

  • 個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む
  • 今よりも少しでも多く身体を動かす
高齢者

・歩行またはそれと同等以上の(3メッツ以上の強度の)身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)(=週15メッツ・時以上)

・有酸素運動、筋力トレーニング、バランス運動、柔軟運動など多要素な運動を週3日以上【筋力トレーニングを週2~3日】

・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する

成人

歩行またはそれと同等以上の(3メッツ以上の強度の)身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)(=週23メッツ・時以上)

・息が弾み汗をかく程度以上(3メッツ以上の強度の)運動を週60分以上(週4メッツ・時以上)【筋力トレーニングを週2~3日】

・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する

こども

(参考)

・中強度(3メッツ以上)の身体活動(主に有酸素性身体活動)を1日60分以上

・高強度の有酸素性身体活動や筋肉・骨を強化する身体活動を週3日以上

・身体を動かす時期の長短にかかわらず、座りっぱなしの時間を減らす。とくに余暇のスクリーンタイムを減らす

※こども…身体を動かす時間が少ないこどもが対象

CHECK!新しく追加されたポイント

[ポイント1] 筋トレ週2~3日を推奨

高齢者と成人に、週2~3日の筋トレが推奨されています。マシンやダンベルなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せやスクワットなどの運動も含まれます。筋トレは、病気予防や死亡リスクの軽減につながり、有酸素運動と組み合わせるとさらに健康効果が期待できます。

[ポイント2] 座りすぎに注意!

新たに「座位行動」という概念が取り入れられ、座りっぱなしの時間が長くならないよう注意喚起しています。座っている時間が長いほど死亡リスクが増加する一方、30分ごとに座位行動を中断することで食後血糖値や中性脂肪など心血管代謝疾患のリスク低下につながることが報告されています。


「メッツ」とは?

安静に座っているときを「1メッツ」とし、その何倍のエネルギーを消費するかという身体活動の強度を表す指標。
(例)体重50kgの人が30分歩いたとき 3.0メッツ×0.5h×50kg=75Kcal

2.5ヨガ
3.0歩行、ボウリング、ピラティス、太極拳
3.5体操(軽・中等度)、ゴルフ(手引きカート)
4.0卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1
4.5テニス(ダブルス)、水中歩行(中等度)、ラジオ体操第2
5.0速歩(107m /分)、野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ、筋トレ(スクワット)
5.5バドミントン
6.0ゆっくりとしたジョギング、ウエイトトレーニング(高強度)、バスケットボール、水泳(のんびり)
6.5山を登る(0 ~ 4.1kgの荷物)
7.0ジョギング、サッカー、スキー、スケート
8.0 サイクリング(20km /時)、激しい強度の筋トレ
9.0 ランニング(139m /分)
10.0 水泳(速いクロール、69m/分)
目次