健診や病院で測る血圧が正常でも、早朝や夜間などに血圧が高くなる人がいます。これを正常血圧の仮面をつけた高血圧という意味で「仮面高血圧」といい、じつは通常の高血圧と同じくらい危険なのです。次のチェックリストに心当たりがある方は、仮面高血圧かもしれません。
- たばこを吸う
- 習慣的にアルコールを多量に飲む
- 職場や家庭でストレスが多い
- 忙しく動き回っている
- 肥満やメタボリックシンドロームである
- 高血圧予備群(130~139/85~89mmHg)である
- 糖尿病である
仮面高血圧の診断基準
・診察室血圧が収縮期血圧140mmHg未満かつ/または拡張期血圧90mmHg未満
・家庭血圧が収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上
目次
放置すると、命にかかわる病気を発症する可能性あり
早朝や夜間だけ血圧が高いだけだからと仮面高血圧を放置すると、血管が硬く狭くなる動脈硬化が促進し、血圧がさらに高くなるという悪循環に陥ります。そして、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの命にかかわる病気を発症しやすくなります。
仮面高血圧には診察室血圧が正常で、朝、目覚めるころの血圧が高い「早朝高血圧」、睡眠中の血圧が高い「夜間高血圧」、ストレスがある日中の血圧が高い「昼間高血圧」があります。
仮面高血圧が疑われる人は、家庭血圧を測って血圧の変動を知り、どの時間帯でも正常血圧になるように取り組みましょう。

今すぐはじめよう!血圧対策
血圧を下げる目標は、「診察室血圧が130/80mmHg未満」「家庭血圧が125/75mmHg未満」です。次の2つを実践してみてください。
1.朝と夜の1日2回、家庭で血圧を測る
毎日できるだけ同じ時間帯に血圧を測り、記録する。
- 測定は静かな適温の部屋で
- 測定前の喫煙、カフェイン、飲酒は控える
- 椅子に座り、1~2分安静にしてから測る
- カフの高さを心臓の高さに合わせる

2.生活習慣を見直す
1日1gの減塩でも血圧は下がる。できることからやる。
- 塩辛いもののとりすぎを控えて、減塩する。
- 野菜やくだものを積極的にとる。
- 節酒し、週に1日以上の休肝日を設ける。
- できるだけ早く禁煙する。
- こまめにストレスを解消する。
- 毎日30分以上、歩くなどの適度な運動をする。
- BMI18.5以上25未満の適正体重を維持する。
