本当においしいコーヒーはカフェでなければ味わえないと思っていませんか。自分好みの豆を選び、上手に抽出することで、自宅で極上のコーヒータイムを楽しむことができるんです!
世界各国から厳選した質の高い生豆を自家焙煎したコーヒーを扱う珈琲専門店「珈琲丸」店主の丸山康太さんに、自宅でコーヒーをおいしく入れるコツを伺いました。
自分好みの豆を見つける
コーヒーの味は、豆の品種だけではなく、生産地の気候や土壌、栽培方法、焙煎方法や焙煎度、豆の挽き方、抽出法などで異なります。酸味、苦み、甘み、香りといった要素の組み合わせによって、味のバリエーションは実にさまざま。まずは、自分の好きな味の豆を見つけることから始めましょう。
品種
コーヒー豆の品種はアラビカ種とロブスタ種に大別され、市販の豆の多くはアラビカ種です。アラビカ種の中でも代表的な品種は以下のとおりです。
- ティピカ…充実した酸味でコクと香りが強い。フルーティー
- ブルボン…濃厚でコクが強め。甘さが多く含まれる
- カツーラ…際立つ甘さ
- ムンドノーボ…酸味と苦み、コクと甘みのバランスがよい

市販のコーヒー豆やカフェのメニューでよく見かける「ブラジル」「エチオピア」「キリマンジェロ」「モカ」などは、コーヒー豆の生産国や生産地の名前を銘柄としたものです。珈琲豆専門店やカフェで独自の銘柄を付けているところも。お店の方に好みの味を相談しながら探してみましょう。
焙煎
焙煎とは、コーヒーの生豆に熱を加えて色や味、香りをつけること。浅煎りほど酸味が強く、深煎りほど苦みが強くなります。市販のコーヒー豆は焙煎されたものがほとんどですが、下記の方法で生豆から自分好みに焙煎してみることもできます。
- 鍋に生豆を入れて弱火にかける。
- 色や香り、音の変化を見ながらときどき鍋を揺らす。目安の時間は中火で10分くらい。
- ちょうどよい色や香りになったら火を止める

初心者には、ガラス蓋付きのアルミの片手鍋(直径16㎝程度)がおすすめ
生豆は珈琲豆専門店で。小分けで売っているお店も。使わない分は冷凍庫で保存。2週間以内に使い切りましょう
焙煎中、パチパチという音がします。これを「クラック」と呼びますが、クラックは2段階に分かれて発生します。浅煎りにする場合は1回目のクラックが終わったら、焙煎を終わらせるとよいでしょう。
おいしい抽出法を知る
焙煎した豆をコーヒーミルで挽いたら、ペーパードリップを使ってコーヒーを抽出してみましょう。
- 豆や粉の量をはかる。200cc抽出するなら15gの豆を中挽きに。※50cc増やすなら豆を5g増やす(中煎り)。
- やかんやポットでお湯を沸かす。
- お湯が沸いたらコーヒー用ポットに移す。
- コーヒーの粉の中心から“の”の字を書くように軽くお湯を注ぎ、粉がパーッと膨らんだら20〜30秒置いておく。
- ペーパーにお湯をあてないように、お湯を注ぎ足す。

ゆったりとした気持ちでコーヒー時間を楽しむ
お気に入りの豆がなかなか見つからなかったり、抽出に失敗することもあるかもしれませんが、焦りは禁物。むしろ試行錯誤を繰り返すほどに、お気に入りの1杯に出会えたときの喜びはひとしお!気持ちにゆとりをもって素敵なコーヒー時間を過ごしましょう。
コーヒーにはいくつかの健康成分が含まれています。上手に摂取すれば、スポーツのパフォーマンスを上げたり、ダイエットに効果をもたらすこともあります。
- カフェイン…運動機能の向上、覚醒作用、リラックス効果、血糖値の上昇を抑える
- クロロゲン酸…血糖値の上昇を抑える
- ニコチン酸…代謝のアップ、脂肪燃焼を助ける
- NMP(N-メチルピリジニウムイオン)※深煎りのみ…抗酸化作用、ストレス緩和
監修:珈琲丸 店主 丸山 康太